こんにちは!スポーツに関するトレーニングの専門家、S&CコーチのSOMAです!
「階段ダッシュってほんまに足はやくなんの?」
「スポーツ選手はどんな階段トレーニングをしてるの?」
皆さんもプロのスポーツ選手がオフシーズンに階段で走り込みをしたり、
全国大会常連チームいわゆる強豪校の選手達が階段ダッシュをしているのを見たことがあるかと思います。
格闘家の朝倉未来選手・海選手も神社の階段でトレーニングしているのが有名ですね!
ランニングやスプリントといった走る動作が含まれる競技、
下半身のパワーが打撃力につながる格闘技において、階段ダッシュ・坂道ダッシュは有効なトレーニングの一つです。
そこで今回は、
階段ダッシュの効果、
階段ダッシュと坂道ダッシュの違い、
階段・坂道で行うパフォーマンス向上のメニュー
などをわかりやすく解説していきます!
トレーニングのやり方も短い動画付きで紹介していくので、ぜひ最後までお読みください!
- オフシーズンで足が速くなりたい人
- 階段ダッシュの理解を深めて、効果を高めたい人
- 近くに階段トレーニングができる場所があるチームの選手、指導者

NSCA-CSCS、NASM-PES等のトレーニング資格を活かし
大学・高校ラグビー部、高校空手部のS&Cコーチとして活動しています。
現場での体験やエビデンスを踏まえながら、
トレーニングや栄養に関する知識を共有していきます!
階段ダッシュ、坂道ダッシュの効果、足が速くなる理由

平地ではなく、あえて階段や傾斜を利用して走ることは、
「きついだけ、昔ながらの練習」
ではありません。
階段ダッシュ、坂道ダッシュでスプリント能力が高まる理由は主に
「瞬発力の強化」と「フォームの強制」
にあります
スプリントや打撃に必要な「瞬発力」が鍛えられる

瞬発力とは、大きな力をどれだけ短い時間で発揮できるかという能力です。
スプリントの速さは主に
「ピッチ(足の回転数)」と
「ストライド(歩幅の大きさ)」
で決まります。
このストライドを広げるためには、
地面に足が着いているわずかな接地時間に大きな力を地面に加える必要があります。
階段や坂道では、
重力に逆らって身体を持ち上げていく必要があるため、
平地よりも強い力で地面を踏み込み地面から反発をもらう感覚が養われます。

下半身のパワーがないと強くて速い打撃も出せないよね!
最大筋力と神経系の伝達速度が向上する
斜面を登る動作は、自分の体重が強い負荷になります。
特にお尻(大殿筋)や太もも裏(ハムストリング)といった、筋群に高い負荷がかかります。
接地の衝撃を受け止め、
素早く跳ね返す動作
(ストレッチ・ショートニング・サイクル:SSC)
を繰り返すことで、筋肉と腱の「バネ」が鍛えられます。
足が速くなるためには、筋肉量だけでなく「脳からの指令をいかに早く筋肉に届けるか」も重要です。
特に「階段を1段ずつ高速で駆け上がる」ようなトレーニングでは、
脳から筋肉へ「速くうごけ!」という指令を連続して送ります。
これを繰り返すことで、神経系の伝達速度向上に繋がります。
フォームの改善に効果的
斜面が生む「強制的な前傾姿勢」
スプリントの加速局面(スタートダッシュ)では、深い前傾姿勢が必要です。
しかし平地で無理に前傾姿勢をしようとすると、「転ばないように」と腰が引けたり、足が流れたりしてしまいます。
坂道や階段では、斜面の角度に合わせて体が自然と前傾するため「体重を乗せた加速のフォーム」が自然と身に付きます。
接地時間の増加と「シザース動作」の習得
階段や坂道では、重量に逆らうため地面を「グッ」と強く押す必要があります。
そのため、平地に比べて地面が足についてる時間(接地時間)が長くなります。
接地時間の増加により、地面をしっかり押している間に、反対側の足を素早く引き上げる「シザース動作(足の入れ替え)」のタイミングをつかみやすくなります

足が後ろに流れないフォーム、前さばきができるようになると足が速くなるよ!
怪我のリスクを抑えた強化

平地で全力疾走を繰り返すと、
着地の衝撃や筋肉への急激な伸張負荷により、
ハムストリングスの肉離れなどのリスクが高まります。
しかし、坂道や階段では、運動強度は非常に高いものの、重力の影響で絶対的な移動スピード自体は抑制されます。
そのため、筋肉への過度な引っ張り負荷を抑えつつ、心肺機能や筋力にはしっかりと負荷をかけられるため、
怪我のリスクを減らしながら質の高いトレーニングが可能になります。
階段ダッシュ・坂道ダッシュの違い

「階段」と「坂道」でのダッシュはよく混同されますが、強化できるポイントが少し違います。
それぞれの違いや特徴を理解し、目的をもってトレーニングしましょう!
階段ダッシュの特徴と効果
階段は、一段一段の奥行きや高さが決まっており、足を置く面(踏面)が水平(フラット)であることが最大の特徴です。
接地面が平らで安定しているため、地面からの反発を受けやすく、弾むような動き(プライオメトリクス)や、素早く駆け上がるトレーニングに非常に適しています。
一方で、段差の幅が決まっているため、自分の意志で歩幅をコントロールすることはできません。そのため、ストライド(歩幅)を大きく広げるようなフォーム矯正には不向きです。 階段は「ストライド」よりも「ピッチ(足の回転)」を高めたり、一歩一歩のバネを鍛えたりする場所として活用するのが正解です。
- 足の回転・素早い動き
- プライオメトリクス(バネの強化)
- オーバーストライドや足の流れ等のフォーム矯正
坂道ダッシュの特徴と効果
坂道は、階段のような段差がなく、連続した斜面が続いていることが特徴です。
足の着く位置(歩幅)を自由に決められるため、自分の走りに合わせた自然なストライドで走ることができます。
また、物理的に「体を前に倒さないと登れない(加速できない)」
という地形的特性があります。
階段のように足場が水平ではないため、重心を前に運ぶ意識を持たないとスムーズに進めません。これにより、意識しなくてもスプリントの加速局面(スタートダッシュ)に必要な「前傾姿勢での加速」が自然と身につくのが坂道の最大のメリットです。
- 下半身パワー強化
- スタートフォーム改善
パフォーマンスアップに効果的!階段ダッシュ・坂道ダッシュおすすめメニュー
階段ダッシュのおすすめメニュー
ドロップスクワット・片足ドロップスクワット(ランディング・着地練習)
- ジャンプやスプリントに伴う着地の練習
- 膝が内に入ったり下半身がぐらぐらしないように止まる
- 体幹を意識して体が丸くなったり、反ったりしない
- 空き缶をつぶすように足を接地する
ケンケン(シングルレッグホップ)
- 接地時間の短い片足でのジャンプ練習
- 反動は小さくなるべく足が地面についている時間を短くする
- 体幹はまっすぐ、ジャンプ毎に体がぶれない
- 徐々に距離を伸ばしていく
腿上げ(接地・挟み込み)
- 速いピッチと正しい足の接地位置を身に着ける練習
- とにかく早く足を動かす
- 体幹をまっすぐに保ったまま腕振りも素早く
階段ダッシュ
- 地面から反力をもらうための接地を身に着ける練習
- スプリントでの空中姿勢(膝は高く・つま先を上げる・体幹はまっすぐ等)を意識しながら
- 接地面がフラットなため、グラウンドでのスプリントに近い形で足が接地できる
- 足が後ろに流れないように走る
坂道ダッシュのおすすめメニュー
連続両足ジャンプ
- 接地時間の長いジャンプ練習
- 反動を大きく使って高く飛ぶ
- 腕を大きく振って全身を連動させる(上半身はリラックス)
- 1回1回リセットせずに連続でジャンプ
急な坂でのダッシュ(0-10-20)
- スタートダッシュの姿勢を意識、前傾姿勢であごを引いて走る
- 地面についた足は素早く前に持ってくる
- 足が後ろに流れないように走る
他にも緩やかな坂でのフォーム作りを行ったり、ダッシュを繰り返すこともスプリントや持久力向上に効果的です!
階段ダッシュ、坂道ダッシュの注意点

どれくらいやったらいいの?
初心者は少量スタートで「漸進性過負荷」
普段使わない筋肉を酷使するため、いきなり「今日は100本!」などと意気込むと、高確率で怪我に繋がります。
トレーニングには「漸進性過負荷の原則(少しずつ負荷を高めていくこと)」が重要です。
まずは「物足りない」と感じる量からスタート、
体が慣れてくるのに合わせて、週ごとに距離を伸ばしたり、本数やセット数を少しずつ増やしていくようにしましょう。
焦らず継続することが一番の近道です。

走った本数や距離、その時の感覚なんかをメモしておくといいね!
シンスプリント・足底筋膜炎への注意
硬いコンクリートの階段やアスファルトでの練習は、スネの内側(シンスプリント)や足の裏(足底筋膜炎)の痛みが発生するリスクが大きくなります。
痛みが慢性化しないようにリカバリーにも気を配りましょう!
- クッション性のあるシューズを選ぶ
- 練習後のアイシングとストレッチを徹底する
- 痛みが出たらすぐに中止する
まとめ

- 階段ダッシュ、坂道ダッシュの効果は瞬発力(下半身のパワー向上)やスプリントフォームの改善
- 階段は接地面がフラットで歩幅が決まっているため反発を受けやすい
- 坂道は強制的な前傾姿勢で足を引き上げる練習になる。
- トレーニングの目的を明確にして階段・坂道を使い分ける
- 負荷は徐々に上げていき、リカバリーをしっかり行う!
最後までお読みいただきありがとうございました!
「階段や坂道でのトレーニング」と聞くと、どうしても根性論のようなイメージを持たれがちですが、実は効率的にスプリントフォームを矯正し、爆発的なパワーを養えるとっても魅力的なトレーニングです。
オフシーズンの地道な積み重ねが、試合終了間際の「あの一歩」の差に繋がります。
まずは家の近くにある小さな坂や公園の階段からでも問題ありません!
怪我に気をつけながら、少しずつ走りが変わっていく感覚を楽しんでみてください!
科学的な視点を味方につけて、「走り負けない身体」を一緒に手に入れましょう!
今後もアスリートの皆さんのパフォーマンスアップに役立つ情報をどんどん発信していきますので、ぜひチェックしておいてくださいね。

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