試合前日、準備の重要性
こんにちは!S&Cコーチの相馬です!みなさんは大切な試合前
「明日の試合で活躍できるようコンディションを整えたいな」「試合でパフォーマンスを最大限出してほしい」
そんな思いで過ごすことありませんか??試合は普段の練習の本番でもありなるべくいい形で臨みたいですよね。
でも実際は、良かれと思って取った行動が、知らず知らずのうちに試合に悪い影響を与えてしまっていることが…..
そこで今回は、試合当日にパフォーマンスを落とさないために、「試合前日にやってはいけないこと」を解説していきたいと思います。
コーチとして学生スポーツの現場でありがちな失敗についても紹介しているので、ぜひ最後までよんでみてくださいね!
NSCA-CSCS、NASM-PES等のトレーニング資格を活かしながら、大学・高校ラグビー部、高校空手部のS&Cコーチとして活動しています。
現場での体験やエビデンスを踏まえながら、トレーニングや栄養に関する知識を共有していきます!
試合当日のパフォーマンスは何できまる??
試合当日のパフォーマンスを最大化させるためには、「Fitness疲労理論」を知っておく必要があります。
フィットネス疲労理論とは、競技のパフォーマンスは「フィットネス」から「疲労」を引いた差で決定されるという考え方です。
それぞれの要因について以下のような特徴があります
フィットネス
「フィットネス」はトレーニングやよって身体に引き起こされる、ポジティブな適応効果のことを言います。例えば持久力の向上、筋力アップ、筋肥大、競技スキルの上達もこれにあたります。
フィットネスは、高めるのに時間を要しますが、その効果は長期にわたって維持されるという特徴があります。
疲労要因
「疲労」とは運動やトレーニング、様々なストレスによって生じるネガティブな影響を意味します。
筋肉へのダメージや疲労、体内エネルギーの枯渇、免疫機能の低下や精神的なストレスが疲労にあたります。
疲労はたまるスピードが速い反面、回復する速度がフィットネスの低下と比べて早いのが特徴です。
トレーニングをするとフィットネスは向上しますが疲労の増加がそれを上回る為、一時的にパフォーマンスが低下します。
時間が経過すると、疲労は徐々に回復していきますがフィットネスの低下スピードは疲労の回復よりも遅く、トレーニングの効果が持続しているため、トレーニング前よりもパフォーマンスが高い状態にななります。
超回復理論との違いや試合に向けたピーキング、テーパリングについてはまた別の記事で詳しく解説したいと思います!
準備不足が招く試合当日の失敗
試合前の準備、過ごし方が大切な理由は、試合当日のパフォーマンスを最大化するだけでなく怪我や事故を防ぐためです。
パフォーマンスが低下すると、
体力の消耗が激しくなり、判断力の減少や身体機能の低下が起こります。普段通りのスキルが発揮できず、練習の成果を出せないのは残念ですよね。
またそれらが要因で捻挫や骨折といった外傷のリスクが高まってしまうこともあります。防げるはず、若しくは防げたかもしれない怪我をして、しばらくスポーツが出来なくなってしまうのは非常にもったいないです。
スポーツによっては一瞬のスキが大事故につながり、命や健康な生活を脅かすこともあるので自分自身やアスリートを守るためにも準備が大切です。
今回の記事で、「疲労」の要因になりうる試合前日のタブーを理解していい準備をしていきましょう
パフォーマンスを下げてしまう、試合前日にやってはいけないこと
今回は、試合前日にやっていはいけないことを睡眠、食事、運動、休息、メンタルの5項目に分けて紹介していきます。
睡眠
よくある試合前日の失敗が睡眠不足です。夜更かしをしてしまったり、スマホや寝る前の暴飲暴食が原因で睡眠の質を下げてしまうことも試合前日には避けたほうがいいでしょう!
前日の睡眠不足はもちろん慢性的な睡眠不足にも注意が必要です。下記の研究では、1晩の平均睡眠時間が8時間未満の選手は、8時間以上の睡眠時間の選手に比べて傷害を負う可能性が1.7倍高くなったという研究結果が出ています。
もしも睡眠不足が続いていても、前日にしっかりと睡眠をとることで怪我のリスクを下げられます。試合前日は長時間かつ質の良い睡眠をとるように心掛けましょう!
栄養
試合前日は食べ物にも気を配りましょう!試合前日からしっかりご飯を食べてエネルギーを蓄えておくことはとっても重要な事ですが注意が必要です。
特に油の多いものは避け、炭水化物を中心とした食事をとることがスポーツの試合前には推奨されています。
揚げ物や脂身の多い肉等、油の多い食べ物は消化に時間がかかります。試合前日は不安や緊張でストレスがかかり、消化機能も低下することがあるので、消化不良を起こす危険性があります。
また生ものなども食あたりのリスクがあるので控える方がいいでしょう!
運動
スポーツにはピーキングという考え方があります。これは大事な試合に向けてパフォーマンスを整えていくということです。そのために日々のトレーニングでたまった疲労を体から抜いてパフォーマンスを高めることが重要です。
競技の種目やカテゴリ、大会周期にもよりますが一番大切な試合の2週間前ほどから徐々にトレーニング強度を落としていくとパフォーマンスが発揮されやすいと言われています。
ですが昔ながらのがむしゃらにハードな練習が、試合で身を結ぶという考え方もまだあり、選手の疲労が考慮されていないケースもあるかと思います。
また、選手自身ががっつり練習しておかないと不安になるという気持ちもわかりますが、これらはパフォーマンスの最大化につながりません。
試合前日は選手本人が積極的に疲労を取る意識を持って、無理しすぎないことが大切です。
休息
試合前日の身体の休ませ方で気を付けたいのがサウナや、一日中だらだらと過ごしてしまうことです。
人間はスポーツや運動中大量の汗をかきます。それにより、体重の減少率が体重の2%を上回ると心拍数や体温の過度な上昇、スキルや集中力の低下が起こります。これらを防ぐためには十分な水分補給が必要です。
試合前日にサウナに行ってしまうと、従来あったはずの体内の水分が、発汗の影響で出て行ってしまっている状態になります。その影響で水分不足になり、パフォーマンスの低下や足のこむら返りの原因にもなりかねません。
リフレッシュや疲労を抜くためどうしてもサウナに行きたいという人は水分摂取を徹底する必要があります。
また疲労を抜くために必要以上に家でだらだらと過ごすことはおすすめしません。寝すぎて逆に体が疲れたり、血流が滞ってしまう可能性もあります。
試合前日は普段通りの生活リズムを保つことが大切です。
メンタル
試合前日は過度な不安や緊張、興奮のし過ぎは試合のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
これらメンタル面の不調は、プレーの力みや焦りに、集中力の低下などにつながります。また逆に興奮状態が低すぎたり、緊張感が全くないと注意散漫になったり、判断能力が衰える可能性があります。
試合前日は適度な緊張にとどめておくために、ネガティブなイメージや自分へのプレッシャーをかけすぎるのはほどほどにして過ごしましょう!
試合で活躍できる、失敗しても何度もチャンスが来ると良いイメージを持っておくといいですよ
保護者や指導者ができること
試合前日にやってはいけないことを解説していきましたが、学生アスリートの場合はやっぱり自分でコントロールできないこともしばしば、、、
指導者や保護者の皆さんが子供に対して教育、マネジメントしてあげる必要があると考えています。栄養面でエネルギーになりやすい食事を用意してあげたり、過度に緊張している場合は勇気づけてあげるといった風に選手に寄り添うことが大切です。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。アスリートは試合前になると活躍できるよう頑張ろうとか、いいプレーをしたいという気持ちの高ぶりから、空回りしてしまうこともあります。
いままでのトレーニングの成果を最大限発揮するためには当日だけでなくその前から準備をしていく必要があります。特に試合前日は最後の調整。いくらいい準備をしてきてもその1日の過ごし方で力が十分に発揮できないこともあります。
選手自身はもちろん、指導者や保護者の皆さんも選手が最大のパフォーマンスを発揮できるように前日の過ごし方を大切にしましょう!
もしも明日が試合という方がいればぜひ頑張ってください!!
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