ラグビー部必見!走り負けない持久力をつける!年間計画とトレーニングメニューの紹介

Training

「試合後半、全然足が動いてない」「疲れたらミスが増えてしまう」「フィットネストレーニング中、仲間においていかれてつらい」

ラグビーをしているとそう思ったことありませんか?
私も中学生時代は毎朝1500mの追加メニューを監督に命じられ、ランパスでは声をひたすら出して、ついていくのに必死といった状況でした。
それでも大学時代はスクラムハーフでチーム内でも体力は上位、試合中はだれよりも長い距離を走ることができるようになりました。

トレーニングの専門家となった今は身体の大きな選手でも80分の試合に出場しプレーし続けるための体力づくりをサポートしています。

この記事では持久力不足に悩むアスリートや指導者向けに、パフォーマンス向上につながる持久力トレーニングの計画や考え方について解説していきます。具体的なメニューも紹介していくのでぜひ最後まで読んでみてください!

こんな人におすすめ
  • 相手に走り勝つ体力をつけたいアスリート
  • 持久力テストの記録をあげたい選手
  • 持久力アップのフィットネスメニューがしりたい指導者やコーチ
筆者について
筆者について

NSCA‐CSCS、CROSSFIT‐Level1等のトレーニング資格を活かしながら大学、高校ラグビー部、高校空手部のS&Cコーチとして活動しています。

現場での体験やエビデンスを踏まえながら、トレーニングや栄養に関する知識を共有していきます!

ラグビーにおける持久力の重要性

ラグビーの試合は80分。その間相手と何度もぶつかったり、広いグラウンドを走り回るためには持久力が欠かせません。ラグビー選手が持久力を鍛える理由は大きく分けて3つだと考えています。

なぜフィットネストレーニングが必要なのか?
  1. パフォーマンスの維持
  2. 怪我予防
  3. 練習強度の向上


パフォーマンスの維持

ラグビーの試合中、scramやlineoutといったセットプレーの時間を抜いたインプレー時間は約20分~25分程度です。その間激しく衝突したり走り続けるとなるとかなりの体力を消耗しますよね。
疲労がたまってくると、エネルギー不足から脳や筋肉の働きが鈍くなりプレーに支障が出ます。
例えば相手のステップやパスに反応できず、ラインブレイクを許してしまったり、味方選手のサポートにつけないなど。
体力があれば、状況に応じて正しい判断、力強いコンタクトプレー、スピードの速いランニングが可能になり、試合で勝利に近づくことができます。

怪我予防

持久力トレーニングの目的は、心肺機能の向上はもちろん靭帯や腱といった結合組織を強くする役割があります。
そのほかにも力の発揮に必要なエネルギーを貯蔵する能力を高めたり、乳酸に対する耐性を高めたりと多岐にわたります。そのため、トレーニング量が足りていないにも関わらず試合でいきなり高強度の運動をした際や練習でハードなトレーニングをした際は、肉離れや捻挫等の怪我をしてしまうでしょう。
他にも心配なのが疲労による判断の誤りが起こす危険なプレーです。タックル時の逆ヘッドや予想していない角度からの衝突は、脳震盪といった命にかかわる障害につながります。

練習強度の向上

高校生や大学生等のカテゴリーにもよりますがほとんどのチームが一回の練習で1時間以上かけているかと思います。その練習時間内つねに高いパフォーマンスを発揮できればどうでしょうか。
運動強度の高いトレーニングができ、勝ちにつながりますよね。私の指導する大学では午後の練習だけでも長ければ2時間30分程度グラウンドで練習することがあります。体力のない選手は後半かなりつらそうですが持久力があれば最後まで高い強度でトレーニングができ、ドリルに参加する頻度が増えスキルの向上にもつながります。

持久力トレーニングの年間計画

私たちS&Cコーチは、ターゲットとなる公式戦で高いパフォーマンスを発揮するために年間のトレーニング計画立てており、そのことをピリオダイゼーションといいます。
そのピリオダイゼーションには筋力トレーニングや競技スキルの練習、持久力トレーニングの計画が含まれていますが、今回は持久力トレーニングに内容を絞って年間計画の考え方を解説します。

持久力の理解に欠かせない3つのエネルギー機構

人が筋肉を動かす際、「ATP」と呼ばれるエネルギー分子が必要になります。そのATPを生み出したり供給するために、人には3つのエネルギー供給機構が存在していて、持久力トレーニングのメニューや計画を立てる際、これらを理解しておくことが重要です。

運動の強度や時間によって、エネルギーの生成が依存する供給機構が変動します。それぞれは独立してエネルギーを供給するわけではなく、その運動によって割合が変わるようなイメージです。

見出し
  • ATP-CP系・・・0~8秒程度の継続時間、かなり高強度な運動で素早くエネルギーを生成する
  • 解糖系(乳酸系)・・・30秒~60秒程度の継続時間強度の高い運動で糖を分解してエネルギーを生成
  • 有酸素系・・・長時間かつ低強度な運動時に多くエネルギーを生成する

エネルギー供給機構についての詳しい解説はまた後日記事にしたいと思っていますので今回は簡単に概要だけ理解できればOKです。
ここからはより具体的に、シーズンごとに鍛えるべき体力要素について解説していきます!

オフシーズン(前半)

オフシーズンのターゲットは基礎体力の向上です。この時期のフィットネストレーニングでは主に「有酸素系」の能力を向上させます。1500m走やブロンコ、シャトルラン等のゆっくりな速度で長時間動き続ける種目を選ぶとよいです。多くのスポーツが冬に走り込みや長距離走をするのはこのためですね。この時期にきちんと体力の土台作りをすることで、毎日の練習に耐えうる体力をつけるとともに試合で長時間動き続けるための能力を鍛えます。

オフシーズン(後半)

プレシーズンでは、オフシーズンから継続して基礎体力の向上を目指しつつ、耐乳酸性の能力の向上いわゆる「解糖系」のトレーニングを実施します。スポーツ中に高い強度で走ったりプレーした後には、「乳酸」がたまり足が鉛のように重く、全然動けないということありませんか?耐乳酸系のトレーニングは「乳酸」を溜まりにくくする、「乳酸」をそのあとのエネルギーに変換するための能力を養います。この時期では中から高強度でのランニングを繰り返すようなメニューを積極的に採用しましょう!

プレシーズン

プレシーズンは試合が始まる前の期間を指します。公式戦に向けて競技の特性に近い体力要素をどんどん鍛えていくのがこの時期です。ラグビーではスプリントやコンタクトを少しの休息をはさみながら何度もくりかえしますよね。スプリントやコンタクトは速度が短く強度の高い運動に分類されます。上記のエネルギー機構の内「ATP-CP系」の能力が特に重要です。全力疾走の70%~100%でスプリントを何度も繰り返したり、タッチフットやアタックディフェンスといったゲームに近い形でトレーニングしていくとよいでしょう。

インシーズン(試合期)

試合期に入れば練習の強度をターゲットの試合に向けて徐々に落としていきます。(ピーキング
ラグビーの場合、シーズンが長く2~3カ月も試合期が続くため、パフォーマンスを維持するために持久力トレーニングが必要です。試合がある週はスプリントを数本実施したり、試合のない週はサーキットトレーニング等で耐乳酸のトレーニングをしたりと選手の疲労度をコントロールしながら、試合のパフォーマンスを落とさないようにコントロールしていきます。

ポストシーズン

ポストシーズンはシーズンでたまった疲労を取るために心と体をリフレッシュするための期間です。高校生はとくに冬に新人戦や春にも公式戦があるためここは休みすぎるとパフォーマンスダウンにつながります。2週間から4週間ほど休息を取ればまた次のシーズンに向けて基礎体力の向上、維持に努めます。

持久力アップのためのフィットネスメニュー

VO2グリット

  • グラウンドに4つのコーンを置く(コーンの距離は選手のレベルに合わせて調節)
  • コーンからコーンまでを15秒で走る。
    1から2、3から4の間はラン、2から3、4から1の間はジョギングでコーンを回る
  • 5周程度からスタート慣れてくればどんどんと周回数を増やす
  • オフシーズン・プレシーズンにおすすめ

300mシャトル

  • ゴールラインからハーフライン(50m間)を3往復する
  • 目標タイムはBK60、Back.R65秒、タイト5は70秒
  • 60秒から120秒のレストをはさみ、3本実施。レベルに応じてレスト時間を調整
  • オフシーズンにおすすめ

・ダッシュ&ジョグ

  • 35m~40mを7秒以内にスプリント
  • スタート位置までジョギングで13秒以内に戻る
  • 20秒サイクルで5~10本実施
  • プレシーズン、インシーズンにおすすめ

ゲームフィット

  • タッチフット形式、4分1セットとし3~5セット実施
  • アタックは2回タッチされればラック、ディフェンスは2回目にタッチした選手プラス1枚がダウン
  • スクラムハーフが球出しアタック権は5回で交代
  • ラインブレイク時にアタックディフェンスともにスプリントを意識
  • アタックチームの選手はトライ時にゴールラインから10m以内に入っているようにする

成果を確かめるためにも定期的な測定を実施しよう 

今回はラグビーの測定で様々なチームで実施されているテストを二つ紹介します。これらは測定だけでなく、トレーニングとしても実施できるので、定期的に実施するのがおすすめです!

ブロンコ

  • 20m40m60mをそれぞれ順に1往復
  • 上記を5回繰り返したタイムを記録
  • チームごとに目標を設定する
    (例 タイト5 5分30秒 バックロー 5分15秒 バックス 5分以内)
  • オフシーズンにトレーニングとして実施、全シーズンで測定として活用がおすすめ

YOーYOテスト

  • 2つのマーカーを離し、3つ目のマーカーをスタート地点のマーカーから5m後ろに接地
  • シグナルに応じて20mを往復、2回目のシグナルがなるまでにスタート地点に戻る
  • スタートに戻れば10秒かけて後ろのマーカーを目印に5mを往復
  • 2回シグナルのスピードに間に合わなければそこで測定終了
  • オフシーズンにトレーニングとして実施、全シーズンで測定として活用がおすすめ

つらいフィットネスメニューを乗り越えるための工夫と注意点

フィットネスメニューを自ら好んで追い込める選手はなかなかいません。ポジティブでつらい時こそ頑張るみたいな雰囲気作りが普段からできていれば問題ありませんが、中には走りたくない、そこそこで走って楽に終わりたいと考えている選手も多いですよね。ただ指導者としてはそんな選手にも一生懸命走ってもらいたいところ。私はS&Cコーチとしてトレーニングをさせる立場で勝つためにキツイトレーニングを実施する事があります。そんな中で選手たちが頑張れるように普段から工夫して取り組んでいます。

ハードワークを楽しめるチームを作ろう!
  • ペアでの実施でお互いに声をかける、
  • 目標タイムの設定にこだわる
  • 走りすぎに注意、走らずとも心拍数をあげるトレーニングの手札を準備しておく

3番目については怪我が心肺な選手や頑張りすぎて疲労がたまっている選手へのアプローチです。
私はチームで、HIITやクロスフィット、ローイングやバイク等を使ったフィットネスメニューを作成しています。

まとめ

  • ラグビーで持久力が必要な理由は「パフォーマンス維持、怪我予防、練習強度の向上」
  • 持久力に関わる3つのエネルギー供給機構 ATP-CP系、解糖系、有酸素系
  • オフシーズンには有酸素系、オフシーズンの後半は解糖系、試合期の前はATP-CP系をメインに鍛える。試合期はターゲットの試合に向けて体力を維持
  • 目的に合ったフィットネスメニューの選択と定期的な測定が重要

最後までお読みいただきありがとうございました。持久力トレーニングは体力的にも精神的にもきついですがそこを頑張れば、パフォーマンスアップが向上し、勝利にもつながります。

ぜひ今回紹介したフィットネスメニューを実践してみて、最後まで動ける、走り負けないチーム作りをしてみてください!

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