パフォーマンス向上の鍵?クレアチンとカフェイン、その相性の真実
アスリートやスポーツ指導者の皆さんにとって、どうすればもっとパフォーマンスを上げられるかは、いつも大きな関心事ですよね。日々のトレーニングや食事の工夫に加えて、サプリメントを上手に使うことも、目標達成のための大切な方法の一つです。たくさんあるサプリメントの中でも、「クレアチン」と「カフェイン」は、その効果が科学的にも証明されていることから、世界中の多くのアスリートに利用され、とても人気があります。クレアチンは「ここぞ!」という時の爆発的なパワーを、カフェインは高い集中力や粘り強さをサポートしてくれます。それぞれのサプリメントがトレーニングや試合でのパフォーマンスを後押ししてくれるかもしれません。
でも、この二つの強力な成分については、「一緒に摂ると効果が打ち消し合っちゃう」「同時に摂らない方がいいらしい」なんて話を耳にしたことはありませんか?もし一緒に摂っても大丈夫なら、どんな風に摂るのが一番効果的なのでしょうか?もっと強くなりたい、もっと良い記録を出したいと願う皆さんにとって、これはとても気になる疑問だと思います。
この記事では、クレアチンとカフェインが、それぞれ体の中でどんな風に働いてどんな効果をもたらすのかを、もう少し詳しく見ていきます。そして、「一緒に摂るのは良くない」という話の根拠や、最近の研究で分かってきたこと、さらに最新の情報に基づいた効果的な摂り方や、安全に使うための大切な注意点について、具体的で分かりやすく解説していきます。クレアチンとカフェインを上手に使いこなし、あなたのパフォーマンスをさらにレベルアップさせるためのヒントを見つけましょう!
・パフォーマンスアップのためのサプリメントを検討中の方
・サプリメントの効果的な摂取方法・タイミングを知りたい方
・スポーツやトレーニングに関する栄養に興味がある選手や指導者

NSCA-CSCS、NASM-PES等のトレーニング資格を活かしながら、大学・高校ラグビー部、高校空手部のS&Cコーチとして活動しています。
現場での体験やエビデンスを踏まえながら、トレーニングや栄養に関する知識を共有していきます!
【詳しく解説】クレアチンとカフェイン、それぞれの働きと効果

まず、クレアチンとカフェインが、具体的に体の中でどんな風に働いて、どんな良い効果をもたらしてくれるのか、詳しく見ていきましょう。ただ効果を知るだけでなく、その「仕組み」を理解することが、上手に活用するための第一歩です。
クレアチンの働きと主な効果

クレアチンは、私たちの体の中でも作られているアミノ酸の一種で、そのほとんど(約95%)が筋肉の中に蓄えられています。筋肉の中では、「クレアチンリン酸」という形になっていて、これが筋肉を動かすための直接的なエネルギー源である「ATP(アデノシン三リン酸)」を作り出すのに、とても重要な役割を果たしています。
体の中での働き方(エネルギー供給の仕組み)
重いウェイトを持ち上げたり、全力でダッシュしたりするような、短時間で大きな力を出す運動では、筋肉はATPをものすごい勢いで使います。でも、筋肉の中に貯めておけるATPはほんのわずかで、数秒で使い切ってしまいます。ここでクレアチンリン酸が登場します。特別な酵素(クレアチンキナーゼ)の助けを借りて、クレアチンリン酸が持っている「リン酸」をADP(ATPが使われた後の物質)にくっつけて、素早くATPを作り直してくれるのです。この仕組みのおかげで、私たちは瞬間的に大きなパワーを発揮できます。

クレアチンをサプリメントとして飲むと、筋肉の中に蓄えられるクレアチンやクレアチンリン酸の量を増やすことができます(だいたい10〜40%増えると言われています)。これによって、エネルギーを作り出す能力が高まり、次のような効果が期待できます。
●瞬発的なパワー・筋力のアップ
●きつい運動を繰り返す能力のアップ
●筋肉を大きくするサポート
瞬発的なパワー・筋力のアップ
- ウェイトリフティングなどで、より重い重量を挙げられるようになる。
- 短距離走やジャンプ競技での記録が向上する。
- ある研究では、クレアチンを摂ることでベンチプレスの最大重量が5〜15%もアップしたという報告もあります。
キツイ運動を繰り返す能力
- 短い休憩を挟んでダッシュを繰り返すようなトレーニングで、後半バテにくくなる。
- 筋トレで、より多くの回数やセット数をこなせるようになる(総挙上重量が増える)。これにより、筋肉への刺激が増え、筋肉が大きくなりやすくなります。
筋肉を大きくするサポート
- トレーニングと組み合わせることで、筋肉がより大きくなるのを助ける可能性があります。これは、トレーニングの質が上がるだけでなく、クレアチンが筋肉細胞の中に水分を引き込んで細胞をパンパンにしたり(細胞のボリュームアップ効果)、筋肉の成長に関わる細胞を元気にしたり、筋肉を作るのを助けたり、筋肉が分解されるのを抑えたりする、いくつかの仕組みが関係していると考えられています。
その他の可能性
- 筋肉のエネルギー源となるグリコーゲンの貯蔵を助ける、運動後の回復を早める、記憶力などの脳の働きにも良い影響があるかもしれない、といったことも言われていますが、これらについてはまだ研究が進められている段階です。
クレアチンにはいくつか種類がありますが、最も研究が多く、値段も手頃な「クレアチンモノハイドレート」という種類が一般的です。
カフェインの働きと主な効果

カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオ豆などに自然に含まれている成分で、エナジードリンクや風邪薬などにもよく入っています。脳や心臓、血管、筋肉など、体の色々なところに影響を与えます。
体の中での働き方(眠気をブロック)
カフェインの一番主な働きは、脳の中で「アデノシン」という物質がくっつく場所(受容体)をブロックすることです。アデノシンは、私たちをリラックスさせ、眠気を引き起こす働きがあります。カフェインはアデノシンと形が似ているので、アデノシンがくっつく場所を横取りしてしまいます。すると、アデノシンの眠気を促す信号が伝わりにくくなり、頭がシャキッとして、疲れを感じにくくなるのです。

この脳を元気にする働きに加えて、次のような効果が期待できます。
●目が覚める・集中力アップ
●「きつい」と感じる気持ちを軽くする
●長く運動できる時間をアップ(持久力アップ)
●筋力やパワーへの影響
●脂肪を燃えやすくする
目が覚める・集中力アップ
- 眠気やだるさを吹き飛ばし、覚醒状態を促します。
- 難しいことを考えたり、長時間集中したりする時に役立ちます。トレーニングや試合中の集中力を保ったり、反応が早くなったりする効果が期待できます。
「きつい」と感じる気持ちを軽くする
- 運動中に感じる「しんどい」「つらい」といった気持ちを和らげる効果があることが、多くの研究で分かっています。これにより、同じ運動でも楽に感じられたり、もっときつい運動を続けられたりする可能性があります。これは主に、脳の中でアデノシンの働きをブロックする効果によるものと考えられています。
長く運動できる時間をアップ(持久力アップ)
- ランニング、サイクリング、水泳などの、長く続けるスポーツで、パフォーマンスを向上させる効果が最もはっきりと認められています。タイムが縮まったり、同じペースでより長く走り続けられたりすることが報告されています。この仕組みとしては、脳への刺激、疲れにくさの向上に加えて、筋肉が力を出す仕組みを助けたり、体脂肪をエネルギーとして使いやすくしたりすることが、複合的に関係していると考えられています。
筋力やパワーへの影響
- 持久力ほどはっきりしていませんが、いくつかの研究では、筋力や瞬発力に対しても良い影響(最大筋力が少しアップ、きつい運動を繰り返す能力がアップなど)がある可能性が示されています。
脂肪を燃えやすくする
- 体を活動的にする神経(交感神経)を刺激し、アドレナリンというホルモンの分泌を促します。アドレナリンは脂肪細胞に働きかけ、蓄えられている脂肪を分解するように指令を出します。分解された脂肪は血液中に放出され、エネルギーとして使われやすくなります。ただし、これが直接ダイエットにつながるかは、食事や運動習慣など他の要素も大きく関わってきます。
カフェインがどれくらい効くか、副作用(ドキドキする、手が震えるなど)が出やすいかは、人によってかなり違います。これは、カフェインを分解する体の仕組み(酵素)の遺伝的な違いや、普段からどれくらいカフェインを摂っているか(慣れ、耐性)などが影響するためです。

クレアチンやカフェインといったスポーツや運動能力を高めてくれるサプリメントはエルゴジェニックエイドとも呼ばれています!
クレアチンとカフェインを一緒に摂るとどうなる?噂の真相を研究結果から探る

さて、いよいよ本題の「クレアチンとカフェインを一緒に摂るのはどうなのか?」という話です。「一緒に摂ると良くない」という噂はどこから来て、今の科学ではどのように考えられているのでしょうか?
「一緒に摂ると良くない」と言われる理由
この説が広まったきっかけは、主に1990年代後半から2000年代はじめにかけて発表されたいくつかの研究でした。
- 効果の減少
- お腹への影響
- 体の水分への影響
効果の減少
ある研究で、クレアチンだけを飲んだグループでは期待通りの運動能力アップ効果が見られたのに、クレアチンとカフェインを一緒に飲んだグループではその効果が消えてしまった、という報告がありました。この研究では、カフェインがクレアチンの筋肉への取り込みを邪魔する可能性は低いものの、クレアチンが持つとされる「筋肉がリラックスするまでの時間を短くする効果」をカフェインが邪魔してしまうのではないか、と考えられました。筋肉が素早くリラックスできれば、素早い動きを繰り返すのに有利かもしれないので、これが邪魔されるとパフォーマンスアップ効果がなくなってしまう、という理屈です。
お腹への影響:
クレアチン(特にたくさん摂るローディング期)もカフェインも、人によってはお腹が痛くなったり、気持ち悪くなったり、下痢をしたりすることがあります。これらを一緒に摂ることで、お腹への負担が大きくなり、不快な症状が出やすくなるのでは?という心配もされました。
体の水分への影響:
クレアチンは筋肉の中に水分を引き込む性質があり、カフェインにはおしっこを出す作用(利尿作用)があります。理論上は、これらを一緒に摂ると体の水分バランスが崩れやすくなり、脱水症状のリスクが高まる可能性が考えられました。
これらの研究結果や理論的な心配事が、「クレアチンとカフェインは一緒に摂らない方がいい」という考えを広める原因の一つとなりました。
最近の研究と現在の考え方
しかし、その後の研究が進むにつれて、以下のことがが分かってきました。
効果が消えるわけではない?
その後に行われた多くの研究では、クレアチンとカフェインを一緒に摂っても、それぞれの運動能力アップ効果がはっきりと打ち消されるという結果はあまり出ていません。むしろ、きついインターバルトレーニングや、ダッシュを繰り返す能力、筋トレで持ち上げる重さなど、特定の運動においては、クレアチンだけ、カフェインだけよりも、一緒に摂った方がより大きな効果、あるいは同じくらいの効果が得られた、という研究も複数報告されています。
筋肉のリラックス時間への影響は?
昔の研究で指摘された「筋肉がリラックスする時間」への影響についても、その後の研究ではっきりした結果は出ておらず、実際の運動パフォーマンスへの影響もそれほど大きくない可能性が示されています。
体の中での働きは複雑
クレアチンとカフェインは、体の中でそれぞれ違う、しかも色々なルートを通って働きます。二つの相互作用は、単に「打ち消し合う」という単純なものではなく、どんな運動をするか(種類、きつさ、時間)、何を測るか(パワーか持久力か)、そしてその人の体の特徴によって、特に影響なくもなり得ると考えられています。
お腹の調子や脱水は管理できる
お腹の調子が悪くなったり、脱水になったりするリスクは、一緒に摂る場合に限らず、それぞれのサプリメントをたくさん摂った場合にも起こりえます。これらは、飲む量やタイミング、水分補給などをきちんと管理することで、多くの場合、最小限に抑えることができます。
現時点での科学的な見方をまとめると、「クレアチンとカフェインを一緒に摂ると、全てのアスリートで、必ずパフォーマンスアップ効果が打ち消される、という強い証拠はない」と言えます。むしろ、特定の状況では役に立つ可能性も示されています。
ただし、「お互いに影響し合う可能性が完全になくなったわけではない」「お腹の調子や脱水のリスクはやはり考えるべきである」「人によって効き方や副作用の出方がかなり違う」という点も忘れてはいけません。
したがって、「絶対にダメ!」と決めつけるのではなく、「一緒に摂ることは可能だけど、お互いに影響し合う可能性や副作用のリスクも知った上で、自分の体の反応を見ながら慎重に判断・調整する必要がある」というのが、より現実的でバランスの取れた考え方と言えるでしょう。

一緒にとっても影響は少なそうだけど、初めは別々に取ることでそれぞれの効果を試せるメリットもありますね!
【実践編】効果的な摂り方:いつ、どのように摂るのがベスト?

クレアチンとカフェインの効果を最大限に引き出し、良くない影響をできるだけ減らすためには、飲むタイミングを工夫することが大切です。それぞれの特徴を考えながら、一緒に摂る場合の戦略を見てみましょう。
クレアチンのベストな摂り方
クレアチンは、カフェインのように飲んですぐに効果が出るものではありません。筋肉の中に少しずつ蓄えられ、その量が増えることで効果を発揮します。ですから、いつ飲むかということよりも、毎日続けて飲むことで、筋肉の中のクレアチンレベルを高い状態に保つことが一番重要です。
ローディング(早く効果を出したい場合)※やらなくてもOK
- 目的:筋肉の中のクレアチンの量をできるだけ早く満タンにする。
- 方法:最初の5〜7日間、クレアチンモノハイドレートを1日に合計で約20g(体重1kgあたり0.3gが目安)を、4〜5回に分けて飲みます。例えば、朝食、昼食、トレーニング後、夕食の時などに5gずつ飲む。
- 注意点:一度にたくさん飲むと胃腸に負担をかけてしまう可能性があるため、分けて飲むのがおすすめです。ローディングは必ずしもやる必要はなく、やらなくても毎日続けていれば3〜4週間くらいで筋肉の中のクレアチンレベルは十分に高まります。
ローディング後、またはローディングしない場合
- 目的:筋肉の中のクレアチンレベルが高い状態をキープする。
- 方法:1日に3〜5gのクレアチンモノハイドレートを飲みます。ローディングをした場合は、ローディング期間が終わったらこの量にします。
タイミング:いつ飲んでも効果に大きな違いはないとされていますが、自分が続けやすいタイミングを選ぶのが良いでしょう。トレーニング中のエネルギーとして使用されるように運動前に飲むかトレーニングで失われた栄養、エネルギーを補給するために運動後に摂取するのが一般的です。
飲み忘れを防ぐためには、食事と一緒に飲むのも良い方法です。

無理をしてローディング期間を設けなくてもOK!無理なく続けて摂取し続けることが大切!!
カフェインのベストな摂り方
カフェインは、飲んだ後に体に吸収され、血液中の濃度が高まることで効果を発揮します。そのため、飲むタイミングが効果を大きく左右します。
タイミング:目を覚まして集中したい時やパフォーマンスを発揮したいタイミングの30分~60分前に飲むのが一般的です。こうすることで、運動を始める頃にカフェインの血中濃度がピークになり、シャキッとしたり、疲れにくくなったり、パフォーマンスが上がったりする効果を最大限に得やすくなります。
量:体重1kgあたり3〜6mgが、運動能力アップ効果を得るための一般的な目安量です。例えば、体重70kgの人なら、210mg〜420mgくらいです。ただし、これはあくまで目安で、カフェインがどれくらい効くかは人によって全く違います。
カフェインは飲みすぎると胃腸に悪影響を及ぼす、睡眠の質が悪化するといった副作用が出やすいサプリメントです。
初めて試す場合や、副作用(眠れないなど)が心配な場合は、体重1kgあたり1〜3mgくらいの少ない量から始めて、自分の体の反応を見ながら少しずつ調整することがとても大切です。また、毎日飲んでいると体が慣れてきて効果が弱くなることもあるので注意が必要です(詳しくは後で説明します)。
一緒に摂る場合のタイミング戦略:ずらす?それとも同時?
クレアチンとカフェインを一緒に摂る場合、お互いに影響し合う可能性(特にお腹への影響)を考えると、飲むタイミングをずらすのが一番安全で無難な方法と言えます。
タイミングをずらして摂取する場合
- クレアチン: 毎日続けることが大切なので、トレーニングの後や食事の時など、習慣にしやすい時間に飲む(例:トレーニング後にプロテインと一緒に3-5g)。
- カフェイン: パフォーマンスを発揮したいタイミングに合わせて、トレーニングや試合の30〜60分前に飲む(例:体重1kgあたり3-6mg)。
- メリット: この方法なら、それぞれの成分が効果を発揮するタイミングを良くしつつ、同時に飲むことによるお腹への負担が増えるリスクを減らせます。また、クレアチンは「じっくり蓄積型」、カフェインは「すぐに効く即効型」というそれぞれの特徴にも合っています。
同時に摂る場合(プレワークアウトサプリなど)について
- 市販のプレワークアウトサプリメント(トレーニング前に飲むサプリ)の多くには、クレアチンとカフェインが一緒に入っています。これらの製品を使って特に問題(お腹の調子が悪くなるなど)を感じない場合は、手軽さの点から同時に摂るのも一つの方法です。
注意点
- 製品に入っているクレアチンやカフェインの量が、自分にとってちょうど良い量とは限りません。特にカフェインの量は製品によってかなり違うので、必ず表示を確認し、必要なら飲む量を調整しましょう。
- 同時に摂るとお腹の調子が悪くなったり、他の副作用が出やすかったりする場合は、無理せずタイミングをずらすか、その製品を使うのをやめることをおすすめします。
- プレワークアウトサプリには、これら以外にも色々な成分が入っていることがあり、それらとの組み合わせも考える必要があります。
結論として、一緒に摂る場合は、まずタイミングをずらす方法を試してみて、自分の体調やパフォーマンスがどう変わるかを確認するのが、一番賢いやり方と言えるでしょう。

同時に取ってみて体に合わなければ、別々でサプリを取ってみよう!
僕はめんどくさがりなのでプレワークアウトで一緒に飲んでいます!笑
【重要】安全に使うために!クレアチンとカフェインの注意点

クレアチンとカフェインは、正しく使えばとても役立つものですが、いくつかの注意点を守らないと、思わぬ副作用や問題につながる可能性があります。安全に、そして効果を最大限に引き出すために、以下の点を必ず理解し、実行してください。
1. 水分補給はしっかりと!
クレアチンは筋肉の中に水分を引き込む働きがあります。一方、カフェインはおしっこをたくさん出す働きがあります。この二つが重なると、体の水分が足りなくなりやすくなり、脱水症状のリスクが高まります。脱水は、パフォーマンスの低下、足がつる(こむら返り)、熱中症のリスク上昇、腎臓への負担増など、色々な問題を引き起こします。
対策
クレアチンやカフェインを摂っている間は、意識して、たっぷりと水分を摂ることが非常に重要です。具体的な目安としては、1日に最低でも2〜3リットル以上の水を飲むように心がけましょう。たくさん運動する日や暑い日は、もっと多くの水分が必要です。「喉が渇いたな」と感じる前に、こまめに水分補給をする習慣をつけましょう。おしっこの色が濃い黄色になっているのは、水分不足のサインかもしれません。
2. お腹の調子が悪くなったら?
クレアチン(特にたくさん摂る時期や一度に大量に飲んだ場合)やカフェイン(特に量が多い時や空腹時に飲んだ場合)は、人によってはお腹が気持ち悪くなったり、痛くなったり、下痢をしたりすることがあります。一緒に摂ることで、これらのリスクがさらに高まる可能性もあります。
対策
- 少しずつ始める: 初めて使う場合や一緒に摂る場合は、推奨されている一番少ない量から始めて、体の様子を見ながら少しずつ増やしていきましょう。
- 空腹時を避ける: 特にカフェインは、空腹時に飲むと胃への刺激が強くなることがあります。何か軽く食べてから飲むと、負担を軽くできる場合があります。クレアチンも食事と一緒に摂ると吸収が穏やかになるかもしれません。
- 分けて飲む: クレアチンのローディングをする場合は、1日の量を何回かに分けて飲みましょう。
- 水と一緒に: サプリメントを飲むときは、十分な量の水と一緒に飲むようにしましょう。
- 製品を変えてみる: ある製品で調子が悪くなる場合、他のメーカーのものを試すと改善することもありますが、まずは飲み方を工夫してみましょう。
- 症状が続く場合は、飲む量を減らすか、使うのをやめて、必要ならお医者さんや専門家に相談してください。
3. 睡眠への影響に注意!
カフェインの効果は強力なので、特に午後の遅い時間や夜に摂ると、寝つきが悪くなったり、ぐっすり眠れなくなったり(深い睡眠が減るなど)する原因になります。睡眠不足は、筋肉の回復や成長、体の調子を整えるホルモン、病気への抵抗力、次の日のパフォーマンスなどに悪い影響を与えます。
対策
- 飲む時間に気をつける: 睡眠への影響をできるだけ少なくするためには、寝る前の最低でも6〜8時間前からはカフェインを摂らないようにすることが強く推奨されます。カフェインが体から半分なくなるまでの時間は平均3〜5時間くらいですが、人によってはもっと長く体の中に残ることもあります。
- 量を調整する: 午後や夜にトレーニングをする場合は、カフェインの量を減らすか、カフェインが入っていないサプリメントなどを検討しましょう。
- 自分の体質を知る: カフェインにどれくらい敏感かは人それぞれです。自分がどれくらいの量、どの時間帯までなら睡眠に影響がないかを知っておくことが大切です。
4. 人によって効き方は違うことを忘れずに
クレアチンがどれくらい効くか(すごく効く人/あまり効かない人)や、カフェインにどれくらい敏感か(効果の強さ、副作用の出やすさ、慣れやすさ)は、遺伝的なもの、食生活、トレーニング経験、その日の体調など、色々な理由で人によって全く違います。チームメイトや友達にすごく効いたからといって、自分にも同じように効くとは限りません。その逆もあります。
対策:
他の人の話や一般的な情報は参考にしつつも、最終的には自分自身の体調やパフォーマンスがどう変わるかをよく観察して、自分に合った摂り方を見つけることが一番大切です。少ない量から試してみて、トレーニング記録や体調メモなどをつけながら、効果と副作用のバランスを見ていきましょう。
5. 適切な量を守ること
「たくさん飲めばもっと効く」というわけではありません。クレアチンもカフェインも、推奨されている量を超えて飲みすぎても、パフォーマンスがさらに上がる保証はなく、むしろ副作用のリスクを高めるだけです。特にカフェインの飲みすぎは、ドキドキする、脈が乱れる、不安になる、手が震える、吐き気、頭痛、眠れないなどの良くない症状を引き起こす可能性があり、ひどい場合には命に関わることもあります。
対策
必ず製品に書かれている推奨量や、体重に基づいた一般的な目安(クレアチン:維持期は1日3-5g、カフェイン:1回あたり体重1kgあたり3-6mg、1日の合計量にも注意)を守りましょう。色々なサプリメントやエナジードリンク、薬などを一緒に使う場合は、知らないうちにカフェインを摂りすぎてしまう可能性もあるので、それぞれの成分表示をよく確認することが重要です。
6. サプリメントの品質も大切
残念ながら、世の中には品質管理がしっかりしていない製品や、表示されている成分が入っていなかったり、良くないものや禁止されている物質が混入していたりする製品も存在します。せっかくお金をかけてパフォーマンスを向上させてもそれがドーピングとなり、スポーツをする機会が失われては本末転倒、悲しい思いしないよう注意が必要です。
対策
信頼できるメーカーの製品を選び、できれば、第三者の機関が品質をチェックした証(例:Informed-Sport、NSF Certified for Sportなど)がついている製品を選ぶのがおすすめです。これにより、製品の純度や表示通りの成分量、禁止物質混入のリスクが低いことなどについて、ある程度の信頼性が確保されます。


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これらの注意点を守り、自分の体とよく相談しながら、クレアチンとカフェインを上手に利用していくことが、安全に、そして効果的にパフォーマンスを向上させるための道となります。分からないことや持病がある場合は、必ずお医者さんや管理栄養士、スポーツファーマシストなどの専門家に相談してください。
まとめ:正しい知識で、クレアチンとカフェインを賢く使おう!

クレアチンとカフェインは、たくさんの科学的な研究によってその効果が証明されている、アスリートにとってとても価値のある「サプリメント」です。それぞれが持つ働きによって、パワー、筋力、持久力、集中力など、パフォーマンスの色々な面を向上させる力を持っています。
昔から言われていた「一緒に摂るのはNG」という説については、最近の研究で、必ずしも効果を打ち消し合うわけではないことが分かってきました。しかし、お互いに影響し合う可能性や、お腹への負担、脱水のリスク、睡眠への影響といった点はやはり気をつけるべきで、「絶対に安全」「誰にでもおすすめ」というわけでもありません。
クレアチンとカフェインを最大限に活かすためのカギは、以下の点を理解し、実行することです。
- それぞれの特徴を知る: クレアチンはじっくり蓄積型(続けることが大事)、カフェインはすぐに効く即効型(タイミングが大事)。
- 一緒に摂るなら慎重に: まずは飲むタイミングをずらす方法(クレアチンは続けやすい時間に、カフェインは運動前に)を基本に、自分の体の反応を見る。
- 水分補給は最優先: 脱水を防ぐため、いつも十分な水分を摂る。
- 副作用に気をつける: お腹の調子や睡眠への影響をチェックし、必要なら量やタイミングを変える。
- 個人差を大切に: 自分の体で試して、ベストな摂り方を見つける。
- 適量を守る: 飲みすぎはリスクを高めるだけ。推奨量を守る。
- 品質をチェック: 信頼できる製品を選ぶ。
クレアチンとカフェインは、魔法の薬ではありません。あくまでも、質の高いトレーニング、バランスの取れた食事、十分な睡眠といった基本がしっかりできていて、その上での「プラスアルファ」の助けとなるものです。
これらの基本をおろそかにせず、科学的な根拠に基づいた正しい知識を持ってこれらのサプリメントを賢く活用することで、あなたのトレーニング効果や試合でのパフォーマンスを、安全かつ効果的に、さらに上のレベルへと引き挙げることができます。
使用している周りの人に話を聞いたり、実際に自分で使用してみて効果があればぜひ活用してみてください!

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参考文献
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